Wizardry

Proving Grounds of the Mad Overlord/狂王の試練場




ウィザードリィというゲームは非常に自由である。反面、制約される部分もあり、それが逆に自由度を高めている と思われる。ゲームをはじめてすぐに白い枠線と白い文字、そして背景は真っ黒。そう、ウィザードリィというゲ ームは文字・数値がものをいうゲームなのだ。それは単にビジュアルにとらわれて、半ば強制的なフローチャート で、最終ボスを倒してハッピーエンドといった、昨今によくみられるRPGとは一線を帰している。

FC版ウィザードリィTが発売されたのが1987年12月。もう既にAPPLE版Wizardry SCENARIO #4―THE RETURN OF WERDNA―が発売された後である。国産PC版では見られなかったアイテム名、モンスター名の完全日本語化。 更には、羽田健太郎さん作曲による音楽の導入、末弥純さんデザインのモンスターグラフィックスなど、家庭用 ゲーム機での日本復旧を大いに促進させた。

ウィザードリィの世界は、とある城の城下町と町外れの地下迷宮のみといった作り。文字と数値のみで構成されて いるのでモンスターの外観以外は、プレイヤー自身の想像力で世界を構成できるのだ。ギルガメッシュの酒場には 木のテーブルがいくつも(結構古いものなので朽ちているものが多々)あって、迷宮探索から帰ってきたばかりの、 富と名声を手に入れたい一心で集まって来ているパーティたちが、大ジョッキ片手に冷たいビールを飲みながら 「今日出会ったボーリングビートルはよぉ、いきなりブレス吐きやがってよぉ、いらついたから真っ二つにして やったわー!」などとホラ話に盛り上がってるドワーフのパーティがあったり、異国から来た1人のもの静かな 美しいエルフが、その話に耳を傾けながら溜め息をついていたり・・・など色々と、想像して楽しめるわけであ る。他にもある。ボルタック商店はひよっこの冒険者相手に、たいしたことない武器を高値で売りつけていたり して、「あの背の低いふんぞり返ったドワーフの店主に、迷宮で手に入った高級な武器をドンッと見せつけて目 ん玉飛び出させてやりてぇなぁ」とか町の隅で話をしている、貧弱なノームのパーティがいたり・・・といった 具合にプレイヤーの想像力が正に、世界を創りだして行くのだ。

では本題に入ろう。





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